昨日のお玉の疑問に答えてくれる本です。
作者はマガジン九条にも登場下さった半田滋さん。
初版は2003年。自衛隊が北朝鮮が1993年に核不拡散条約脱退を表明したのを受けて、陸海空の自衛隊トップ防衛庁総合幕僚会議がまとめた文書を元に、もしも北朝鮮が攻めてきたらどうなるかのシミュレーションを書いてあります。
極秘文書として、防衛庁の金庫にしまってあるそうです。
内容はざっとこんなシシミュレーションが書かれてありました。・・
経済制裁による朝鮮半島の緊迫。韓国滞在の邦人輸送。その輸送手段の困難さ。北朝鮮からの難民流出・・しかしそのうち何割かはテロ工作員かも知れない。
北朝鮮軍が本当にノドンを日本に向けて発射したとき、打ち込まれるのは米軍基地がほとんどだろう。着弾数は衛星が感知した発射数の5分の1にも満たない。(うまく到達しない)むしろ日本から迎撃のために発射したはずのパトリオット・ミサイルによる被害の方が大きい・・・
そして、戦争による朝鮮半島からの難民は20万人になると予想。
この難民の管理、テロへの対策、そして、攻撃に備える能力・・これすべてを今の自衛隊でこなすことは無理。
北朝鮮側へのアメリカの先制攻撃で攻撃が始まり、米軍の圧倒的勝利で戦争は終結・・・・・・・
この恐ろしいシミュレーションのあと、最後に半田さんはこう書いています。
国際社会の一員として「応分の責任」を果たし、また米国のパートナーとして「力の共有」を実現するには憲法改正が必要であるとの説は、それなりに自己完結している。だが、果たして憲法を変えれば日本は安泰なのであろうか。「K半島事態対処計画」を読み解く作業を通じて、政治的な決断力の不足、外交の脆弱性、危機に対応できない省庁間の厚い壁の存在があらためて明らかになった。しかも「K半島事態対処計画」で想定した起こりうる危機の一コマでさえ、私たちには示されていない。説明責任などどこ吹く風という態度なのに「戦争になったら「国民を守る」といわれてもまるで説得力がない。
危険な隣人とどうつき合っていくのか、日本が最初に取り組むべきは戦略の明確化であろう。場当たり的に北朝鮮との距離感を変えるやり方では、脅威に合わせて武器を買い、戦争ができるように、憲法改正するという壮大な対症療法をとることになる。それは政治的、経済的に一番コストのかかる道だと思う。
この本を取上げるべきか、悩みました。それでも最後の数ページを読み、お玉はあえて紹介することにしました。
ただ上っ面の得体の知れない怖さで、北朝鮮を見るのではなく、北朝鮮が切れちゃったらどうなるのか・・そうしないための外交努力を国はもっと考えて欲しい・・北朝鮮への経済制裁も良いけど、その半年後、1年後日本にどんなシナリオが待っているのかをお玉は誰からも教えてもらっていない。
追記*kusukusuさんがコメント欄でお書きのように、怪しげな脅威論を煽るために書いてるのではありません。防衛庁はこんな事を考えていた。そこを認めて、知った上で、この国が切れちゃわないようにするにはやはり、国際協力をとりつつ話し合わなければいけないとお玉は思う。
武力に武力で対抗するやり方では、目先の一瞬の安全はひょっとしたら買えるかもしれないが、(無理だと思うが)私たちが願う恒久的平和を得ることは決してそして、永遠に出来ない。
九条の2項を無くし強い国日本を目指すということは、未来の子供達に負の遺産を持たせることにしかならない。
戦後60年一人の軍人も戦争で亡くなっていない、戦地で人を殺していない、このことのすばらしさがきれい事でないことを、お玉はみんなに伝えたい。
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